腰椎椎間板ヘルニア(ようつい・ついかんばん・へるにあ)

椎間板ヘルニアの概要

腰椎間板ヘルニアの症状

●急性の激しい痛み
●痛みやシビレが脚にも響く
●前かがみの姿勢で症状が強くなる

●腰痛、歩行困難
●咳やくしゃみで腰に激痛が走る
●座った状態から立ち上がるのがツライ
●立ち続ける、または座り続けることがとてもつらい
●座って足を前に伸ばす運動がキツい
●三十分以上歩くと腰が痛くなる
●体温の調節がうまくいかず、足が冷たい

椎間板の中身が飛び出して神経を圧迫、刺激する

腰痛が起こる病気の中でも、30代前半~40代後半の世代に多いのが、「腰椎椎間板ヘルニア」です。

背骨(脊柱)は、椎骨が縦に積み重なって、その椎骨と椎骨の間にクッションの役割をはたす椎間板が存在します。
椎間板
椎間板の中心部にゼリー状の髄核(ズイカク)があり、周囲を線維輪(センイリン)という丈夫な組織が取り囲んでいる、弾力性のある組織です。
その弾力性によって、背骨に加わる衝撃を吸収するクッション役だけでなく、さまざまな動きにも対応しています。

椎間板ヘルニアは、何らかの原因で線維輪が破れたり、ひび割れて中心部の髄核が飛び出すことによって起こります。
そして、飛び出した髄核が後方にある神経根を圧迫・刺激するため、腰や脚に強い痛みが出るのです。

 

椎間板ヘルニアは椎間板のどこでも起こりうるものですが、腰椎の4番と5番の間の椎間板で起こることが多いようです。

それは、脊椎と骨盤の連結部でもある第四・第五腰椎に頭や上体の重みなどの圧力が集中してかかるため、ほかの骨に比べると負荷がかかりやすく、疲労が蓄積されやすいからです。

椎間板ヘルニアの原因は?

椎間板ヘルニアが起こる原因は、激しい運動や重労働によって強い負荷がかかることや、腰椎を支える腹筋や背筋の筋力低下、肥満などで負荷が大きくなることです。

加齢

椎間板の老化によって、髄核の水分が減少して弾力性が低下したり、線維輪に傷みが生じたりすることも、ヘルニアを起こしやすくします。椎間板は成人した頃から段々と弾力性が欠けていき、廊下が進むにつれて水分が少なくなり柔軟性が無くなっていきます。

そうすると少しの衝撃でもしっかり吸収できなくなり、瑞鶴を囲む繊維輪軟骨にヒビが入り、そのヒビから髄核が外へと飛び出してしまいます。

骨粗しょう症

骨粗しょう症になると、ちょっとした動作による衝撃や圧迫に耐えられず、髄核が飛び出しやすくなります。
また最近では、骨粗しょう症が原因の椎間板ヘルニアが若い世代にも増えてきています。「偏食」「夜更かし」「栄養不足」「運動不足」といった生活習慣の乱れが骨の健康を害し、椎間板ヘルニアの原因となってしまうことがあるのです。

身体の歪み
「姿勢の歪み→背骨・骨盤のズレ→身体の負荷のアンバランス→一部の筋肉に疲労が蓄積→筋肉の機能不全→椎間板ヘルニア」という図式です。
「姿勢の歪み」は日常生活(パソコンや運転など長時間同じ姿勢を続ける、脚を組む、寝る姿勢、掃除機かけ、料理・皿洗いなど)や、重いものを持つ、普段しないことを急にする、激しいスポーツの動作、そして運動不足なども原因となります。

腰痛に加え、脚の痛みやしびれが現れることが多い

椎間板ヘルニアの代表的な症状は、激しい腰の痛みや脚のしびれです。

痛みやしびれは、物を持ったり、前かがみの姿勢になった時に強くなることが多く、おじぎができないといった運動制限も起こります。
物を持ったり、前かがみになると椎間板の内圧が高まり、ヘルニアが後方の神経根を圧迫・刺激します。
そのため症状が強くなるのです。
逆に姿勢によっては、痛みが軽くなるのもこのためです。
また、坐骨神経につながっている神経の根本が刺激されると「坐骨神経痛」の症状が現れることもあります。
腰だけでなく、脚に響くような痛みやシビレなどの症状で、脱力感を伴うこともあります。

さらにヘルニアが脊髄の末端に続く馬尾(バビ)という神経まで障害すると、膀胱などの働きにも影響して、排尿などの異常が見られることもあります。
この場合は重症といえます。

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この記事を書いた人

【整体師/腸セラピスト/体幹回復ストレッチインストラクター】
腰痛ケアスタジオLines.の院長。建築業界のサラリーマン生活と子育ての両立に限界を感じている頃、自身の身体の不調から通っていた整体院で、整体師という生き方があることを知る。
退職後、整体を学び出張整体で開業。その一年後、現在の場所に整体院を開院し腰痛専門の整体師として施術に当たっている。

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