ぎっくり腰の概要
ぎっくり腰の特徴
- 前かがみ、ひねりの動作がきっかけになりやすい
- 動けなくなるほどの激しい痛み
・ちょっとしたきっかけで激痛に襲われる
あるとき突然、腰が痛くなる病気といえば、「ぎっくり腰」がよく知られています。
正式な病名ではありませんが、「急性腰痛」が起こる代表的なものと言えます。
ぎっくり腰の多くは不意の動作(特に前かがみやひねりの動作)が引き金になって起こります。
重い物を持ち上げた時に起こることもありますが、床の物を拾おうとした、ひょいと振り向いたなど、ちょっとしたきっかけで起こることがよくあります。
なかには、これといった誘因もなく起こる場合もあります。
もともと腰椎に何らかの問題が生じていて、それに加えて無理な動作をしたり、腰に負担をかけた結果、ぎっくり腰を招くこともあります。
“魔女の一撃”といわれるほどの痛みは激烈で、ひどいときは、寝返りも打てなくなり、トイレにも這って行ったり、伝い歩きがやっとという状態になります。
いきなりその場で動けなくなることもあれば、数時間後に動けなくなることもあります。
こうした痛みの原因は、多くが腰椎の椎間関節のねんざ、あるいは椎間板の外層のひび割れです。
・こんな動作がきっかけになりやすい
- 物を拾ったり、自動販売機の取り出し口から物を取ろうとするなど、ひょいと前かがみになった時
- 中腰の姿勢を続けた時
- 重いものを持ち続けた
- 体をひねった
- 名前を呼ばれて振り返った
- くしゃみや咳をした
腰に大きな負担をかけてしまったときに起こりやすいと思われがちですが、何気ない油断しているときに起こることもかなり割合としては大きいのです。
蓄積していた腰への疲労が不意の動きをきっかけにぎっくり腰となって現れてしまうようですね。
ぎっくり腰を防ぐには日ごろからの身体のケアが大切だと考えてください。
この怖いぎっくり腰を防ぐには「休み明けの「ぎっくり腰」を予防する3つのストレッチ」を参考にしてください。
ぎっくり腰の改善にはある程度の時間が必要
今この記事を読んでいるあなたは、今現在ぎっくり腰らしい症状で辛い思いをしていらっしゃるかもしれません。
まずは、慌てずに痛みの少ない寝方で横になってください。
通常のぎっくり腰であれば、数日で痛みがやわらいでくるはずです。落ち着いて早期回復のためには何が必要なのか確認してください。
ぎっくり腰の痛みは先ほども申し上げましたが数日すればやわらいできます。ただそれで完全回復とはいきません。
痛みは少し楽になるものの動こうとすれば痛みは伴います。
こちらでは、発症から回復までを順を追って説明していきます。
急性期(ぎっくり腰を起こした直後)
・痛みの少ない寝方で横になりましょう
ぎっくり腰が起こったら、まずは楽な姿勢をとって安静を保つことが第一です。
特に急性期の2~3日は、ヒザを曲げて横向きに寝るなど、自分がいちばん楽な姿勢で、自宅で寝ていましょう。
・患部を冷やしましょう
患部が熱を持っていますので、まずは氷枕や冷却枕で冷やしてください。そういったものがなければ濡れタオルを使用しましょう。
絶対に温めてはいけません!
冷やす際には、なるべく実際に冷たいと感じるものを使用した方が効果は高いです。
冷やす時間は、10~20分。
これを2~3時間おきに1日3回程度繰り返してください。
急性期には、安静にして患部を冷やしましょう!
・お風呂は控えましょう
負傷から2,3日は入浴を控えるほうが良いでしょう。
どうしても汗を流したい場合には、ぬるめのシャワーにとどめますが、痛みのために転倒などして二次被害に合わないようにくれぐれも気をつけましょう。
亜急性期(痛みが少しおさまって、動けるようになる頃)
痛いながらも自力で動けるようになったら、病院で検査を受けることをおすすめします。
診察の結果、症状が腰部の捻挫であり、筋肉の炎症等であればぎっくり腰として診断され、痛み止めや湿布薬または座薬等が処方されます。
薬等で痛みが軽減され動きやすくなったとしても損傷した筋肉が治癒したわけではないので、無理は禁物です。
・整体やマッサージを受ける場合は
このあたりで、整体やマッサージを考えられる方もいらっしゃると思いますが、その際には、きちんとぎっくり腰であることを伝え、施術をしても大丈夫かどうか施術者に確認をしてください。
また施術後にとても楽になって動けるようになることもありますが、実際に重要なのはその後の過ごし方です。
痛みが楽になったのがぎっくり腰が治ったと勘違いして、普通に動こうとしてしまうと、また発症してしまうこともあります。
整体などの徒手療法では、骨格又は筋肉を整えて腰に集中した負担を減らす効果はありますが、傷付いた筋肉を瞬時に治癒する効果はありません。
ですので、養生中であることを忘れずにしばらくは腰に負担をかけない生活を心がけましょう。
・ソファーに座るのは控えましょう
座る際には、足のしっかりした椅子に腰掛けてください。キャスター付きのものは不意に動いて痛い思いをする場合もあります。
また座面が低く、体が沈んでしまうようなソファーに座るのは控えた方が良いでしょう。立ち上がる際に腰へ非常に負担がかかります。
・作業の際にはコルセットがおすすめ
お仕事が休めるのであれば、休んでゆっくり過ごした方がいいのですが、どうしてもお仕事をしなければならないという場合には、コルセットをつけて作業をしたほうが安全だと考えます。
回復期
痛みがかなり引いて、なんとか普通に動ける様になる頃です。
これまで腰をかばうためになるべく動かなかったり、動いてもゆっくりとした動作に留めていたために体中の筋肉が固くなっている可能性があります。
やはり無理は禁物ですが、徐々にストレッチやエクササイズを行って筋肉を解すようにしましょう。
通常、1~2週間ほど安静をはかれば痛みはおさまります。
痛みがやわらいできたら、少しずつ日常の生活動作を始めます。
いつまでも横になっていると、かえって回復が遅れます。
ただし、動いたために痛みが強くなった時は、様子をみて、無理をしないようにしてください。
痛みがおさまってこない場合は病院へ
ぎっくり腰の場合、急性期は痛みが強く、動けないことも多いので、無理をしてまでこの時期に受診する必要はありません。
ただし、急性腰痛の起こる病気はぎっくり腰だけではありません。
安静にしていても痛みが強くなったり、発熱がある、気分が悪いといった症状があるときは、ぎっくり腰以外の病気が疑われます。
一度、受診をした際にレントゲン等の画像診断の検査をしなかった場合には、再度受診することをおすすめします。
3〜7日経過しても痛みがやわらぐ気配がない場合は筋肉の断裂や椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの脊椎の病気が考えられます。その場合は、整体等の手技療法は避け、病院の診察を受けてください。
急性腰痛の現れる病気
脊椎の病気 | ●ぎっくり腰 ●椎体骨折(ついたいこっせつ) ●椎間関節症(ついかんかんせつしょう) ●椎間板ヘルニア ●転移性脊椎腫瘍(てんいせいせきついしゅよう) ●化膿性脊椎炎な(かのうせいせきついえん)ど |
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婦人科の病気 | ●子宮外妊娠 ●子宮内膜症 ●骨盤輪不安定症など |
泌尿器科の病気 | ●尿路結石 ●腎盂腎炎(じんうじんえん)など |
その他 | ●胃・十二指腸潰瘍の穿孔(い・じゅうにしちょうかいようのせんこう) ●急性膵炎(きゅうせいすいえん) ●解離性大動脈瘤(かいりせいだいどうみゃくりゅう) ●心身症や心気症など |
※急な腰痛はぎっくり腰とは限りません。特に身動きができないほどの痛み、発熱がある、気分が悪い、腹痛を伴うときは、急を要する場合があります。
まとめ
この記事では、ぎっくり腰になってしまったときの対処法をお伝えしました。
あまり起こってほしくはありませんが、もしなってしまった場合は、この記事の内容を参考にしてください。
- まずは楽な姿勢で横になる
- 患部を氷枕で冷やす
- 痛みがやわらいだら病院を受診する
- さらに痛みが和らいできたらストレッチで筋肉をほぐす
ぎっくり腰は腰部のねん挫であり、筋肉に炎症が起きています。実際に筋肉が治癒するには必ず時間が必要です。
焦らずにきちんと治して、ぎっくり腰が癖になってしまわないように注意してください。
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