腰痛で悩んでいる方の多くは、治りたい一心で腰痛に関するさまざまな情報を取り入れようとしています。
雑誌やテレビの特集、知人からのアドバイス等々。
ただ、その情報のなかには、全く根拠のないものも少なからず紛れ込んでいます。
こちらのページでは、世間でまことしやかに囁かれている腰痛に関するウワサについてその真偽をお話ししたいと思います。
あなたが常識だと思っていたことが、実は間違っているかもしれませんよ。
1.腰痛は温めた方がいいというのは本当ですか?
回答:どちらとも言えない
患者さんから「温めた方がいいですか、冷やした方がいいですか?」と聞かれることがよくあります。
結論から言うと、痛みが楽になれば温めても冷やしても、どちらでも構いません。
捻挫や打撲などの一般的なケガに対する処置としては,赤く腫れて熱を持っている急性期は冷やして腫れを引かせ、症状が比較的安定している慢性期には温めて血流を良くすると言われています。
ギックリ腰の場合は、ケガと同じだと考えますので、まずは冷やす方が良いでしょう。

2.筋肉を鍛えると腰痛が治るって本当?
回答:ウソ
「腰痛になるのは、腹筋や背筋が弱いからで、筋肉を鍛えれば腰痛にならない」とよく言われますが、本当に筋力をつければ腰痛にならないのでしょうか?
高い強度の筋力トレーニングを比べた研究では、高い強度の筋力トレーニングの方が筋力は増強されたが、腰痛の改善には差がなかったという結果が出ています。
筋肉隆々のプロスポーツ選手でも、腰痛に悩んでいる人はいますし、腰痛で引退してしまうというのは、良く聞く話です。
一方で、筋力トレーニングと無縁の人でも、腰痛を患うことなく暮らしている人は沢山います。
このことからも腰痛の改善と筋肉の量は因果関係がないと言えるでしょう。
3.安静第一というのは本当ですか?
回答:ウソ
ギックリ腰で痛みがひどい時は、無理に動くと悪化してしまったり、しっかり立てずに転倒してケガをしてしまう危険性もありますので、安静にしていただくのが、ベストです。かといって、ずっと安静でいるのはかえって回復に良くないということが明らかになっています。
痛みが強い発症直後から2〜3日くらいは安静に寝ていても良いのですが、痛みが少し落ち着いたら、なるべく起きて日常生活に戻るように心掛けましょう
まったく動かないと、回復がさらに遅れるため、少し痛くても普通の生活を送るようにしたほうが治りが早いと言われています。
このことは、椎間板の髄核のズレと繊維輪の亀裂の修復から考えても、安静にして同じ姿勢を保ってズレたままにするよりは、ながら改善で積極的に自分で治した方が効果的ということです。
4.ストレスが腰痛の原因になることがあるって本当?
回答:ホント!
ストレスが原因で身体に痛みが表れることは「心因性疼痛」と呼ばれています。
はっきりした原因が見つからないのに、身体に痛みがある事があり、心理的な要因以外では、原因を説明できない状態です。
腰痛においても心理的ストレスが関係している事があり、レントゲン撮影をしても痛みの原因になるような異常がなく、痛み止めや注射、あるいはリハビリなど、さまざまな治療をしても効果がない事が特徴です。
心にあるストレスを表に出せないために、心理的葛藤が身体の痛みとして表現されてしまう身体表現性障害の一つとされています。
5.腰を動かすとポキポキ鳴るのは危険!?
回答:ウソ
「腰を動かすとポキポキ音がするのですが、大丈夫ですか?」
と聞かれることがよくあります。
このポキポキは「クラック音」と呼ばれるものです。
関節を急激に動かしたときに関節腔が陰圧(物体の内部が外部より低い状態)になって、関節液に溶け込んでいる窒素が気化するキャビテーションという現象が原因と言われています。
腰の場合も、椎間板のちょっとしたズレによって、関節の動きが悪くなっているところで、腰を動かすことにより関節腔が陰圧になっていると思われます。
関節のポキポキ音を出すこと自体は、音を鳴らすとスッキリすると言う人もいるので、特に問題はありません。
6.薬や注射で痛みを止めれば大丈夫?
回答:どちらとも言えない
薬や注射には、急性の腰痛を緩和する効果があるのは確かです。
痛みが強くて日常生活に支障があるときには、薬で痛みを止めたほうが楽に過ごせるでしょう。
しかし、一度治ったと思っても痛みがぶり返す慢性腰痛に対する薬や注射の効果は明らかではなく、長期間にわたって薬を飲み続けるのは、副作用の恐れもあるのでおすすめできません。
薬や注射は根本的な腰痛解消の手段ではなく、あくまでも痛みを抑える対症療法だということも覚えておいてください。
7.手術をすれば本当に腰痛は良くなるの?
回答:ウソ
かつては腰痛に対して積極的に手術を行っていた時代もありましたが、現在では足の痛みやシビレの無い腰痛に対して、手術をすすめる整形外科医はあまりいません。
なかには手術後にかえって腰痛が悪化してしまう人もいて、腰痛に対して手術が行われることは少なくなりました。
また、腰椎を固定する手術をすると、数年後に固定した上下の椎間板が傷んでくることがあるので、手術をするかどうかは慎重に検討する必要があるでしょう。
8.ズバリ!腰痛は完治するものですか?
回答:ホント!
腰痛は、普段の姿勢の悪さや日常生活の動作からくる生活習慣病のようなもの。腰痛改善エクササイズやストレッチなどで腰痛が治ったとしても、腰に悪い姿勢を続けていれば、また痛みに襲われる可能性があります。それは本来の完治ではありません。
では腰痛は完治しないのかといえば、そうではありません。
腰痛の始まりは筋肉の疲労です。エクササイズやストレッチで日頃から筋肉のケアを心がけ、また、万が一腰痛になったときも自分で対処できるようになったときには初めて完治するものだと考えています。
まとめ
今回、検証した腰痛に関するまことしやかに囁かれているウワサの結果は以下の通りです。
- 腰痛は温めた方がいいというのは本当ですか? どちらとも言えない
- 筋肉を鍛えると腰痛が治るって本当? ウソ
- 安静第一というのは本当ですか? ウソ
- ストレスが腰痛の原因になることがあるって本当? ホント!
- 腰を動かすとポキポキ鳴るのは危険!? ウソ
- 薬や注射で痛みを止めれば大丈夫? どちらとも言えない
- 手術をすれば本当に腰痛は良くなるの? ウソ
- ズバリ!腰痛は完治するものですか? ホント!
噂には、本当のこともあれば、全く根拠のないものもあります。知人から聞いたことやインターネットで調べて見出しの部分だけをそのまま信じるのではなく、実際に自分で調べてみたり、専門的な知識を持つ方に一度聞いてみることも必要かもしれませんね。

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