腰痛があるとき、
「これは病院に行くべきなのか」
「整体に相談してもいい状態なのか」
迷ってしまう方はとても多いと思います。
強い痛みや不安がある一方で、大げさにしたくない気持ちや、どこに相談すればいいのか分からない気持ちが重なって、判断が止まってしまうことも少なくありません。
この記事では、腰痛があるときに考えたい“判断の目安を、整体師の立場から、できるだけ分かりやすく整理します。
まずはここから|判断の早見チェック
病院での確認を優先したほうがよい目安
- 安静にしていても痛みが続いている
- 日に日に痛みが強くなっている
- 腰痛以外の症状(発熱・腹痛・しびれなど)が気になる
- これまで経験したことのない痛み方をしている
※「必ず異常がある」という意味ではありませんが、
一度医療機関で確認しておくと安心につながるケースです。
まず体の状態を整える視点で考えてよい目安
- 動くと痛むが、楽になる姿勢がある
- 日常生活は送れている
- 以前にも似たような腰痛を経験したことがある
このあとで紹介するチェックリストを参考に、
ご自身の状態を落ち着いて確認してみてください。
その腰痛、危険かも…
ほとんどの腰痛は、あわてて病院(整形外科)を受診する必要はありません。
しかし、中には放置してしまうことで、重篤な病気を見逃してしまうこともありますので、まずは下のチェックリストで腰痛の危険度をチェックしてみてください。
【危険な腰痛チェックリスト】
- 楽な姿勢がなく、安静にしていても痛みがある
- 痛みが日増しに強くなる
- ピンポイントに鈍い痛みが走る
- 腹痛を伴う腰痛
- 腰痛とともに発熱もある
- 短い期間で背中が湾曲してきた
- お尻や脚に痛みやシビレがある
- 脚のシビレにより長く歩けない
- 排便・排尿障害が出ている
- 体を動かすと痛む、楽になる姿勢がある
上記のチェックリストの内①~⑨にひとつでも当てはまる場合は、医療機関を受診して、原因の特定をしていただいた方が良いでしょう。
一つ一つ解説していきます。
①楽な姿勢がなく、安静にしていても痛みがある
筋肉に原因のある腰痛の場合、動きによって痛みが出たりします。また姿勢によって痛みが強くなったり、楽になったりします。
しかし、安静にしていても痛みが続くような場合は、背骨に問題が生じていたり、内臓の病気が考えられるため、なるべく早めの受診をお勧めします。
②痛みが日増しに強くなる
無理をせず、安静に過ごしていても痛みが進行し悪化していくような場合は、腰椎の感染症、転移性骨腫瘍の可能性も考えられます。
③ピンポイントに鈍い痛みが走る
腰や背中に狭い範囲で鈍い痛みがある場合は、結核菌に感染することによって起こる結核性脊椎炎の可能性が考えられます。
④腹痛を伴う腰痛
虫垂炎、いわゆる『盲腸』で激しい腹痛と腰にも痛みを発生する場合があります。
また、腹部に脈打つようなドクンドクンといった感覚がある場合には、腹部の大動脈にコブのようなものができる腹部大動脈瘤の恐れもあります。
⑤腰痛とともに発熱もある
背骨に細菌が感染して発症する化膿性脊椎炎の可能性が考えられます。
抵抗力の低下した高齢者に多く、糖尿病やガンの病気のある人が感染しやすいと言われています。
⑥短期間で背中が湾曲してきた
ここ最近、急に背中が曲がってきたり、体が横に傾くような姿勢になってきた場合は、背骨の圧迫骨折が考えられます。
圧迫骨折は、骨がスカスカになってしまい脆くなる症状で、中高年の女性に多く見られます。
尻もちをついたり、転倒したことがきっかけで起こることが多い背骨の骨折です。
⑦お尻や脚に痛みやシビレがある
⑧脚のシビレにより長く歩けない
⑦、⑧の場合は、椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症、すべり症などが疑われます。
坐骨神経痛と呼ばれる症状で、背骨(椎骨や椎間板)の変異によって、その付近を通る神経を圧迫することで症状が発生している可能性があります。
⑨排便・排尿障害が出ている
頻尿や失禁、便秘など排泄が上手くコントロールできない場合、椎間板ヘルニアや腰部圧迫骨折などの可能性が考えられます。
こちらも脊髄神経を圧迫してしまうことで症状が発生している可能性があります。
⑩体を動かすと痛む、楽になる姿勢がある
一般的な腰痛の可能性が高いです。休息と軽い運動、姿勢の改善で次第によくなることが大半です。
ただし、気をつけているにも関わらず三カ月以上も症状に変化があらわれない場合には、なにかしら病気が隠れているかもしれませんので、受診を考えられた方が良いかもしれません。
様々ある腰痛の原因
厚生労働省によると日本には、約2800万人も腰痛の方がいると推計されています。
腰痛には、ぎっくり腰(急性腰痛症)、脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、筋・筋膜性腰痛、仙腸関節由来の腰痛などがあります。
急に痛みが出てきたもの、慢性的に痛みがあるもの。
一口に腰痛といっても痛み方や痛みの度合い、痛みの発生期間も一人ひとり違いがあります。
色々ある腰痛の中ではっきり原因が特定できる腰痛は、たったの15%といわれています。
残りの85%の腰痛は検査をしても異常が見つからないというのが現実です。

原因を明確化できる腰痛を特異的腰痛、原因が特定しきれない腰痛を非特異的腰痛と呼んでいます。
先程のチェックリストで『⑩体を動かすと痛む、楽になる姿勢がある』という項目以外は、すべて特異的腰痛に該当します。
中でも①~⑤
②痛みが日増しに強くなる
③ピンポイントに鈍い痛みが走る
④腹痛を伴う腰痛
⑤腰痛とともに発熱もある

上記の項目は、レッドフラッグと呼ばれ、赤信号の腰痛を意味します。
腰痛全体で見れば1~2%程度の確率ですが、かなり深刻な病気と言えます。
腰痛と一緒に発熱や腹痛がある場合や一般的な痛みと違う痛みを感じた場合には、迷わず医療機関を受診しましょう。
受診で気を付けるべきこと
何科を受診すればよいのか?

一般的には、整形外科を受診することになります。ただし、夜間や休日等で急を要する場合には救急外来を受診しましょう。
下記に長岡市内の整形外科の一覧と救急診療のリンクを載せておきます。
長岡市内の整形外科一覧のリンク
市内三綜合病院による二次救急診療体制が長岡市の救急診療のリンクから確認できます。
受診の際に伝えるべき内容

- いつ頃から
- 腰のどの辺りが
- どんな感じで
- どういう時に
- その他の症状
●【いつ頃から】
いつ頃から痛みが出ているのか、痛みは強くなっているのか、徐々に弱まっているのかといった内容を伝えます。
●【腰のどの辺りが】
腰のどの辺りが痛むのか、ピンポイントで痛むのか、比較的広い範囲に痛みがあるのか、背骨の右側・左側などを伝えます。
●【どんな感じで】
痛みの表現を「ジンジン」、「ピリピリ」、「ズーン」といった擬音語でもいいですし、鋭い痛みなのか、鈍い痛みなのか、なるべく具体的に伝えましょう。
●【どういう時に】
歩いていると痛い、前かがみになると痛い、じっとしていても痛い、夜寝ていても痛いなど、痛みの発生する動作を伝えましょう。
●【その他の症状】
腰痛に伴って、発熱や腹痛、シビレや排尿障害などが出ている場合には、「これは腰の痛みとは関係ない」と自己判断せずにしっかりと伝えるようにしましょう。
上記の五つの項目を受診前に手帳やメモ用紙にまとめておくと、問診表を記入する際や病院の先生に説明するのもスムーズにできます。
危険はないと診断されたら
病院を受診して、その結果危険が見つからなければ、まずは一安心ということになります。
ただ、危険がないとわかっただけで、原因がはっきりとわからない腰の痛みがいまだに残ってる状態ということになります。
ですので、そこから腰痛を治すための行動をスタートしなければなりません。
腰痛を治すためには、病院の先生の指示通りに通院することも大切です。
また、ただ漫然と病院でのブロック注射や処方される痛み止めや湿布を使っていても、その場しのぎになってしまいます。

腰痛の改善には、腰に負担をかけない日常生活が重要になります。
日ごろの姿勢をに直してみてください。毎日の仕事の作業姿勢も見直す必要があるかもしれません。
また、筋肉は意識して動かしてあげないと筋肉中の老廃物はなかなか流れくれず、滞ってしまいます。
軽い運動やストレッチを日常に取り入れることも必要です。散歩なんかも十分運動になります。
そして、一日の終わりに質の良い睡眠をとってしっかりと体を休めることもとても重要です。
腰痛は自分自身の身体への無関心が生み出しているとも言えます。
今の腰痛を一つのきっかけにして自分自身の身体を健康に保つ姿勢も必要かもしれませんね。
ここから先の考え方|状態に合わせた情報整理
ここまで読んでいただき、「すぐに病院が必要な状態ではなさそう」と感じた方もいるかもしれません。
その場合は、今の腰痛をどう理解し、どう向き合っていくかという視点が大切になります。
朝の腰痛が気になる方へ
起床時に痛みが強い場合、寝ている間の姿勢や体のこわばりが影響していることもあります。
原因の考え方を整理した記事はこちらです。
👉 朝の腰痛の原因を整理した記事(原因理解用)
今すぐ少し楽になりたい方へ
「判断はついたけれど、今がつらい」という方は、無理のない範囲で体を動かすことが助けになる場合もあります。
👉 今すぐ楽になりたい人向けのストレッチ記事
寝返り・睡眠中の負担が気になる方へ
夜の姿勢や寝返りの少なさが、腰に負担をかけているケースもあります。
👉 寝返り・睡眠中の体の負担に関する記事
※いずれも、無理をしないことが前提です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
まずは、この記事の10項目をチェックしてみて、①~⑨の内、一つでも当てはまった場合は、病院で検査を受けてみることを考えてください。
一方で、⑩のみが当てはまる場合は、体の使い方や生活習慣を見直すことで、改善の余地がある腰痛である可能性も考えられます。
すべてを一人で判断する必要はありません。
必要なタイミングで、必要な相談先を選べば大丈夫です。
この記事が、あなたが落ち着いて判断するための材料になれば幸いです。

