脊柱管狭窄症とは?不安を整理し「歩ける未来」を取り戻すために

スーパーで立ち止まり、お尻を押さえている60代女性(脊柱管狭窄症のイメージ)

はじめに|こんな毎日になっていませんか?

朝、台所に立っていると足がしびれてくる。
スーパーでカートを押しているときは楽なのに、何も持たずに歩くと足が重い。
信号が青のうちに渡りきれるか、不安になる。

「旅行に行きたいけれど、長く歩けるか心配」
「孫と公園に行きたいけれど、途中で座り込んでしまう」

もし、そんな思いが増えてきたなら、
それは単なる“年のせい”ではないかもしれません。

とくに60代以降の女性に多いのが脊柱管狭窄症です。

脊柱管狭窄症とは、背骨の中の神経の通り道が狭くなり、歩行や日常生活に影響が出る状態をいいます。

不安が強いときほど、「すぐに何かしなきゃ」「悪化したらどうしよう」と焦りがちです。

でも大丈夫です。
まずは順番に整理していきましょう。

このページでは、

  • 脊柱管狭窄症とは何か
  • どんな症状が出るのか
  • 検査や治療はどう考えればいいのか
  • 生活を取り戻すには何が必要か

を、やさしく、わかりやすくお伝えします。

目次

脊柱管狭窄症とは?わかりやすく説明します

背骨の中には、神経が通る「脊柱管(せきちゅうかん)」というトンネルがあります。

加齢や姿勢の変化などにより、この通り道が狭くなり、
中を通る神経が圧迫される状態を脊柱管狭窄症といいます。

とくに腰に起きるものを「腰部脊柱管狭窄症」と呼びます。

正常な腰部脊柱管の断面図(神経が十分なスペースで通っている状態)
神経がゆとりをもって通れる状態が「正常な脊柱管」です。
腰部脊柱管狭窄症の断面図(神経の通り道が狭くなり圧迫されている状態)
神経の通り道が狭くなることで、しびれや歩きにくさが起こります。

正常な状態と比べると、神経の通り道が狭くなっているのが分かります。

ポイントは、

  • 骨そのものよりも「神経の圧迫」が問題になる
  • 画像上の狭さと症状の強さは必ずしも一致しない
  • 年齢とともに増えるが、全員が強い症状になるわけではない

ということです。

どんな症状が出るの?初期症状から進行まで

初期症状

  • 腰の重だるさ
  • お尻や太もも、ふくらはぎのしびれ
  • 長く立っていると足がつらい

「少し休めば楽になる」
これが初期によく見られる特徴です。

代表的な症状|間欠性跛行(かんけつせいはこう)

脊柱管狭窄症でよく聞く言葉が「間欠性跛行」です。

脊柱管狭窄症にみられる間欠性跛行の流れ(歩くと痛み、休むと軽減し再び歩ける)
歩き始める → しばらくすると痛む → 休むと和らぐ → また歩ける。
これが脊柱管狭窄症に多い「間欠性跛行」の特徴です。
  • 歩いていると足がしびれる・痛む
  • 少し前かがみになって休むと楽になる
  • また歩けるようになる

という状態です。

スーパーのカートを押していると楽なのは、
自然に前かがみ姿勢になるからです。

進行するとどうなる?

  • 歩行距離が短くなる
  • 下肢の力が入りにくい
  • じっとしていても痛みやしびれが続く

ただし、ゆっくり進むことが多く、
急激に悪化するケースは多くありません。

原因はひとつではありません

脊柱管狭窄症の原因は単一ではありません。

主な要因として:

  • 加齢による骨・靭帯の変化
  • 長年の姿勢のクセ
  • 腰椎すべり症
  • 椎間板の変性

などが重なります。

「姿勢だけが原因」「筋力不足だけが原因」と単純に言い切れるものではありません。

だからこそ、焦らず整理することが大切です。

検査で何がわかるの?

レントゲン

  • 骨の変形
  • すべり症の有無

が確認できます。

MRI

MRIでは、脊柱管の狭さや神経の圧迫の程度を詳しく確認することができます。

MRI検査を受けている患者の様子(脊柱管狭窄症の診断に用いられる検査)
MRIは、神経の状態を詳しく見るための検査です。
画像は大切な参考材料のひとつです。
  • 神経の圧迫の程度
  • 脊柱管の狭さ

を詳しく見ることができます。

ただし、
MRIで狭い=必ず強い症状が出る
というわけではありません。

画像は「参考材料」のひとつです。

治療の全体像を知っておきましょう

保存療法(まずはここから)

  • 薬(痛み止め・神経の薬)
  • リハビリ(理学療法・運動療法)
  • 生活指導
  • 神経ブロック注射

多くの場合、まずは保存療法(理学療法・運動療法など)から始まります。

手術はいつ考える?

一般的に、

  • 日常生活が著しく制限される
  • 保存療法で改善が乏しい
  • 排尿障害などの神経症状が出ている

といった場合に検討されます。

入院期間は方法によりますが、1〜2週間程度が目安になることが多いです。

不安がある場合は、医師と納得いくまで相談することが大切です。

レッドフラッグ(すぐに受診を)

次の症状がある場合は医療機関の受診をおすすめします。

  • 排尿・排便障害
  • 会陰部のしびれ
  • 急な麻痺
  • 急激な症状悪化

排尿・排便の異常や急な麻痺がある場合は医療機関の受診をおすすめします。


「これは様子を見ていいのか?」と迷うこともありますよね。
受診を優先すべき腰痛のサインを、こちらにまとめています。

👉「手術のタイミングと後悔しない考え方」について詳しくはこちら

悩み別のご案内(詳しく知りたい方へ)

それぞれの不安に合わせて、順番に詳しく解説していきます。

不安の種類によって、考える順序は変わります。

  • ▶ 手術が不安な方へ
     →「手術のタイミングと後悔しない考え方」
  • ▶ 「手遅れ」が怖い方へ
     →「危険サインと受診目安」
  • ▶ 薬が効かない・副作用がつらい方へ
     →「医師に伝えるポイント」
  • ▶ 痛い日の過ごし方
     →「温める?冷やす?起き上がり方」
  • ▶ コルセットについて
  • ▶ 高齢者向けストレッチ
  • ▶ やってはいけないこと
  • ▶ 間欠性跛行でも歩くコツ
  • ▶ 台所・買い物・旅行の工夫
  • ▶ 3ヶ月の進め方(最重要)

それぞれのテーマは、順次詳しく解説していきます。

改善の定義を変えてみませんか?

「痛みゼロ」だけを目標にすると、少しの波で落ち込みやすくなります。

私が大切にしているのは、普段の生活が戻ること。

笑顔でランチを楽しむ60代女性たちの様子
「また外で会おうね」と笑える時間。
それが、私が考える“改善”です。
  • スーパーに行ける
  • 友達とランチに行ける
  • 旅行の計画を立てられる

それが「改善」です。

3ヶ月で変えるための順序

では、どう順番に整えていけばいいのでしょうか。

1ヶ月目:波を落ち着かせる

  • 負担を減らす
  • 姿勢と生活動作を整える
  • 痛みの波を小さくする

2ヶ月目:動作の再学習

  • 歩き方
  • 立ち方
  • 家事動作

体の使い方をやり直します。

3ヶ月目:戻りにくい体へ

  • 必要な筋力
  • 習慣づくり
  • 自分で調整できる力

ここまで来ると、
「歩ける距離」が安定してきます。

並んでゆっくり歩く高齢の夫婦の後ろ姿
いつもの道を、いつもの速さで、並んで歩ける日常

次の一歩について

① まずは自己チェック

自分で確認してみよう
  • 歩ける距離は何メートルですか?
  • 休めば楽になりますか?
  • 台所で立ち続けられますか?

数字で書き出してみてください。

② 相談という選択

「今の状態はどの段階なのか?」
整理するだけでも構いません。

当院は医療と対立せず、生活の中でできることを一緒に整える立場です。

自宅でスマートフォンを見ながら情報を確認する高齢女性
来院の前に、今の状態を整理するだけでも大丈夫です。

③ 来院という選択

必要であれば、方針を一緒に考えることもできます。

脊柱管狭窄症について模型を使いながら説明する整体師と相談する女性
不安を抱えたまま進まず、まずは今の状態を一緒に整理する時間を大切にしています。

急がなくて大丈夫です。

大切なのは、あなたが「歩ける未来」を諦めないこと。

最後に

脊柱管狭窄症は、怖い病気というよりも、順番を整えることが大切な状態です。

焦らず、比べず、今日できることから。

不安は消すものではなく、整理するものです。

新潟県長岡市
腰痛ケアスタジオLines.-ラインズ-

「歩ける未来を作る院」

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

腰痛ケアスタジオLines.
山井 恭三郎

当院では、無理に通院をすすめないこと、今すぐ通う・通わないを決めなくてもいい選択も大切にしています。

ブログでの文章も、実際に相談を受けるときと同じ距離感で書いています。

目次