梨状筋症候群の症状と改善のためのストレッチ

座っているとお尻がものすごく痛くなる。運動をしていて、ある動きをするとお尻に痛みが走るなんてことありませんか?
または、既に医療機関を受診して「あなたの症状は梨状筋症候群(りじょうきん・しょうこうぐん)です。」と診断された方もいるかもしれませんね。

梨状筋症候群は、梨状筋(お尻の中にある細長い筋肉:後程図解)が何らかの原因で固くなり、梨状筋そのものが痛みを発していたり、その筋肉の下を通っている坐骨神経(ざこつ・しんけい)を圧迫して坐骨神経痛を発症している状態です。

このページでは、梨状筋症候群がどんなものなのか詳しい解説と改善のためのストレッチ及びマッサージを紹介しています。

そもそも梨状筋症候群とは

梨状筋りじょうきん症候群とは

梨状筋(りじょうきん)…お尻の中にある洋ナシのような形をした筋肉です。

梨状筋

症候群(しょうこうぐん)をWikipediaで調べてみると

症候群(しょうこうぐん、syndromeシンドローム)とは、同時に起きる一連の症候のこと。原因不明ながら共通の病態(自他覚症状・検査所見・画像所見など)を示す患者が多い場合に、そのような症状の集まりに名をつけ扱いやすくしたものである。
引用:ウィキペディアの執筆者,2018,「症候群」『ウィキペディア日本語版』,(2018年3月23日取得,https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4&oldid=67834527).

ということではっきりした原因は分からないが、そこ(今回の場合は梨状筋)を起点として起きる一連の症状を症候群と呼びます。

つまり、梨状筋を起点として起きる痛みやしびれの症状が梨状筋症候群となります。

硬くなった梨状筋が坐骨神経を圧迫して、お尻から脚にかけて痛みやシビレを引き起こします。長時間の座った状態やスポーツなど、姿勢の悪さや骨盤の歪みから起こる場合もありますし、椎間板ヘルニアになってしまった場合も併発していることもあります。

病院でのMRI検査(体の状態を断面図として描写する検査)やレントゲンでは、発見することはできません。

梨状筋症候群の症状

  • お尻の外側が痛い
  • 太ももの後ろ側にかけてしびれる坐骨神経痛の症状
  • 膝を内側に向けるとお尻の痛みが出る
  • お尻を押すと痛い
  • 脚の痛み・シビれ

いわゆる坐骨神経痛と言われる症状になります。

坐骨神経痛の症状の出る部位

坐骨神経痛の症状の出る部位

症状の出方は、人それぞれです。
図のようにお尻や太ももの裏側に症状が出る方、側面に出る方、飛び飛びに出る方という具合です。

長く座っていたり、前屈をすると症状がきつくなる場合が多いです。

そもそも、梨状筋(りじょうきん)はどこにあるの?

梨状筋は、お尻の構成する筋肉のひとつです。

大殿筋の筋肉図

大殿筋の筋肉図

上の画像がお尻の筋肉です。
一番表層にあるのが大殿筋(だいでんきん)です。

梨状筋の筋肉図

梨状筋の筋肉図

そのお尻の最大の筋肉である大殿筋をめくった中の方にあるのが梨状筋(りじょうきん)です。

その梨状筋が固くなり、痛くなります。

そして、その下にある太い神経が坐骨神経(ざこつしんけい)です。

梨状筋やそのほかの筋肉でその坐骨神経を挟み込んでしまうことで、その先の坐骨神経の通っている道に痛みやしびれなどの症状が出ることを坐骨神経痛と呼びます。

ただし筋肉や神経の状態は教科書通りではありません。
多くの方の場合、上の図の通り梨状筋の下(正確には前側)を坐骨神経が通っています。
坐骨神経は、総腓骨神経(そうひこつ・しんけい)と脛骨神経(けいこつしんけい)の2本から形成されています。
仙骨(せんこつ)からお尻の中に出てきた坐骨神経(総腓骨神経+脛骨神経)は1本にまとまったまま、太ももの中を通って、ヒザの少し上で2本に枝分かれするのが通常です。

しかし、中にはその2本の神経がお尻の中で枝分かれしている方もいます。

坐骨神経走行バリエーション

  • パターンA:最も一般的な神経の走行。1本の坐骨神経として梨状筋の前を通ります。(90%)
  • パターンB:総腓骨神経(そうひこつしんけい)が梨状筋を貫通し、脛骨神経(けいこつしんけい)が梨状筋の前を通る。(7.1%)
  • パターンC:総腓骨神経が梨状筋の上(後)を通り、脛骨神経が梨状筋の前を通って、2本の神経で梨状筋を挟み込む。(2.1%)
  • パターンD:1本にまとまった状態で、梨状筋を貫通する。(0.8%)

最も多いのはパターンAで約90%を締めています。

パターンB,C,Dの合わせて10%の方は、梨状筋を貫通していたり、梨状筋の上を通過していたりします。

特に梨状筋を貫通しているパターンBとDの方は割合としては少ないものの、梨状筋症候群を発生しやすい傾向にあります。

医療機関での治療

保存治療として鎮痛剤(痛み止めの飲み薬)の処方やブロック注射(直接、梨状筋に麻酔薬を注入)が一般的です。

痛み止めと注射

そのほかに、坐骨神経を圧迫している梨状筋を切開して、解放する手術治療があります。

梨状筋症候群への対処

固くなった梨状筋を柔らかくしてあげることが最重要です。
こちらでは、梨状筋を柔らかくするセルフケアをお伝えします

梨状筋ストレッチ

梨状筋のストレッチ

梨状筋のストレッチ

  1. 仰向けになり両膝を立てます。
  2. 片方の脚の足首を反対の脚の膝にのせます。
  3. 足首を掛けた方の腕を股の間から通し反対の脚の膝を抱えます、反対の腕はそのまま膝をつかみます。
  4. 抱えた膝を自分の胸に近づけるようにするとおしりの筋肉がストレッチされます。
  5. 片側20~30秒×2セット行ないましょう。

膝を胸に近づける際にお尻が浮きすぎないように気をつけましょう。

↓↓動画でも解説しています。↓↓

梨状筋をほぐすマッサージ

テニスボールを使った梨状筋のマッサージですので、テニスボールをご用意ください。

テニスボールは、100円ショップで手に入るもので十分です。

マッサージボール

マッサージボール

最近ではスポーツショップで、マッサージボールというものも販売されています。そちらを使用しても大丈夫です。

ゴルフボールや野球の軟式ボールでもできないことはないのですが、もしそちらを使用される場合は、強すぎる刺激で筋肉を傷めないようにタオル等でくるんでお尻への当たりを柔らかくしてあげてください。

  1. 仰向けに寝転んで、手でお尻の痛い部分や硬い(こっている)部分を探します
  2. その部分のお尻の下にテニスボールを入れます。
  3. 反対側の膝を立てて、体重をテニスボールを入れた側に移動させます。
  4. イタ気持ちいい程度の加重をかけます。
  5. 力を抜いて筋肉が柔らかくなる感覚を探りましょう。
  6. 感覚がわからない場合は、20~30秒立ったら、ボールの位置を変えます。
  7. 何箇所か繰り返します。反対側も同様です。

グイグイと押し付けたりしないように気をつけましょう。顔がゆがむほど痛いことをしても筋肉は柔らかくなりません。逆に筋肉を痛めてしまい症状を悪化させてしまうこともありますので注意が必要です。

強い刺激が好きな方はご注意を!

↓↓動画で解説しています。↓↓

まとめ

梨状筋症候群は、梨状筋を起点として起きる痛みやしびれの症状を表します。

梨状筋が何らかの原因で固くなり、梨状筋そのものが痛みを発していたり、その筋肉の下を通っている坐骨神経(ざこつ・しんけい)を圧迫して坐骨神経痛を発症している状態です。

病院での対処法は、痛み止めやブロック注射が行われます。

ご自身でのセルフケアでは、梨状筋のストレッチや梨状筋マッサージが有効です。

梨状筋症候群が現れている方はもちろんですが、お尻のあたりが疲れた感じがしたり、押してみたら結構痛かったとしたら、ぜひセルフケアで梨状筋を柔らかくしておくと良いでしょう。

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